はじめに

第二種電気工事士の通信講座を調べていくと、SAT(株式会社SAT)の名前は必ず出てきます。スマホ・PCで学べるeラーニング、簡潔なテキスト、教材返金保証——他社よりも特徴がはっきりしていて、検討対象に入れる人が多い講座です。

ただ、検討対象に入れることと「自分に合うかどうか」は別の話です。通信講座は一度買うと数万円が動きます。買ってから「やはり独学でやればよかった」「もっと別の講座のほうが合っていた」と気づくのは、避けたい類の後悔です。

この記事では、SATの第二種電気工事士講座を社会人受験者の視点から検証します。教材構成、サポート、保証、向く人・向かない人——購入判断に必要な材料を一通り整理します。

「動かないまま検討だけで半年が過ぎる」ことを避けるためにも、合う・合わないをはっきり区別して、買うなら買う・別を見るなら別を見る、という次の動きが取れる状態を目指します。


SATとはどんな会社か

SATは現場・技術系資格に特化した通信教育会社です。電気工事士・電験三種・危険物乙4・ボイラー技士・冷凍機械責任者など、設備・電気・建築系の国家資格を中心に講座を展開しています。

公式情報によると、受講者数は2025年7月時点で25万名を突破、レビュー件数は1,200件超。現場系資格の通信講座の中では認知度・実績ともに上位の事業者です。

特徴は、eラーニング中心の学習設計にあります。DVDや紙教材中心の昔ながらの通信講座と違い、スマートフォン・パソコンで講義動画を見ながら学習を進める形が基本。これが「スマホで隙間時間に学べる」という社会人受験者向けの設計につながっています。


第二種電気工事士講座の教材構成

SATの第二種電気工事士講座の教材は、大きく次の3層で構成されています。

1. フルカラーテキスト

SATが公式に強調しているのが、テキストの「簡潔さ」です。他社の電気工事士テキストと比較して「平均ページ数が約1/3」という設計で、合格に必要な範囲に絞り込まれています。

社会人受験者にとって、分厚いテキストは「読み終わらない」プレッシャーになります。フルカラー+簡潔ページ数は、最後まで通すための現実的な設計です。一方、電気の基礎をじっくり理解したい人には情報量が物足りない可能性もあります。

2. 講義動画(eラーニング)

単元ごとに細分化された動画で、1本あたりが短い設計になっています。これにより、通勤時間・昼休み・寝る前など、5〜15分単位の隙間時間で学習を進められます。

スマートフォンで再生できるため、机に向かう時間を確保できない社会人でも継続しやすい。動画は何度でも繰り返し見られるので、技能試験対策で「正しい手順」を見直すときに有効です。

3. 技能試験対策

第二種電気工事士は筆記+技能の2段階試験です。技能試験では候補問題13問の練習が必須になりますが、SATは技能試験対策の動画とテキストも含めた構成になっています。

ただし、工具・材料は通常別売りです。電工ナイフ・圧着ペンチ・ケーブルセットなどは自分で揃える必要があります。HOZAN「DK-28」などの工具セットと、技能練習材料セットを別途購入する前提です(合計1.5〜3万円程度)。


サポート体制

通信講座を選ぶときに重要なのが、つまずいたときの対応です。SATの主なサポートは次の通りです。

  • メールサポート: 24時間受付。講師が直接質問対応
  • 学習相談: 学習方法・モチベーション維持の相談も可能
  • 不合格時のサポート期間延長: 試験に落ちた場合、講座のサポート期間を延長

メールサポートが24時間受付なのは、平日夜・土日に勉強する社会人にとっては合理的です。質問してから回答までのタイムラグはあるものの、「分からないまま放置」を防げます。

逆に、対面授業・リアルタイムの質問対応・スクーリングはありません。「先生に直接質問しないと進まない」タイプの人には合わない設計です。


保証制度

SATには独自の保証制度があります。購入のハードルを下げる仕組みとして整理しておきます。

  • 教材返金保証: 一定条件下で教材費が返金される(条件はLP記載を確認)
  • 破損・不具合時の1年間無料交換: 教材到着後の不具合は1年以内なら無料で交換
  • 不合格時のサポート期間延長: 試験不合格でも、講座のサポート期間が延びる

返金保証は、通信講座を選ぶときの最大の不安「買ってから合わなかったらどうしよう」を吸収する仕組みです。条件の詳細は購入前に必ずLPで確認しておきましょう。


SATが向いている人の条件

ここまでの内容を踏まえて、SATが合う人を整理します。

1. スマホ・PCで学習したい社会人

通勤時間・昼休み・寝る前の15分など、机に向かう時間を毎日確保できない人。動画中心の設計と、単元細分化が活きるのはこのタイプです。

2. テキストを最後まで通したい人

分厚いテキストで挫折した経験がある、または「読み終わらないまま試験当日を迎える」のが怖い人。簡潔ページ数の設計は、完走確率を上げる方向に効きます。

3. メールで自分のペースで質問したい人

リアルタイムで先生に質問するより、メールで自分のタイミングで質問する方が気が楽な人。社会人で「平日昼間は質問できない」タイプには合います。

4. 「買って合わなかったらどうしよう」が動けない理由になっている人

教材返金保証があるため、購入のハードルが低い。検討だけで時間を浪費するより、保証付きで動き出すほうが現実的、と考えられる人。

5. 独学経験がない・電気未経験で「正しい順序」を最短で身につけたい人

独学だと教材選び・順序設計に時間がかかります。SATは「合格に必要な範囲」を講師が組み立てて提供するため、自分で順序を組み立てる必要がない。未経験者の初動には有利です。


SATが向いていない人の条件

逆に、SATが合わない人もはっきりさせておきます。

1. 独学耐性がゼロ・対面で先生に質問しないと進まない人

SATには対面授業がありません。教室通学型のスクール(TACなど)が合うタイプには、SATは合いません。

2. テキストで深く理解したいタイプ

電気の基礎を分厚いテキストでじっくり理解したい人には、SATの「簡潔ページ数」は情報不足に感じます。「丸暗記より理解優先」の人は、他の参考書を併用するか、別の講座を検討すべきです。

3. 時間がたっぷりあって独学で進められる人

平日2時間以上+土日4時間以上を安定確保できて、自分で過去問演習を進められるなら、独学のほうが安く済みます(書籍代+技能材料で3〜4万円)。

4. 工具・材料も全部セットで欲しい人

SATの講座には通常、工具・材料は含まれません。「これ1つ買えば全部揃う」を期待する人は、工具材料セットも別途準備する必要がある点を理解しておく必要があります。

5. 価格が最重要の人

通信講座は独学より高額です。費用最優先なら独学が合理的。SATは「時間を金で買う」設計なので、時間節約に価値を感じない人には割高に映ります。


SATで合格を狙うための学習スケジュール例

SATを使う前提で、社会人が3〜4ヶ月で合格に到達する標準的な進め方を示します。

1〜2週目: 配線図記号と複線図の基礎

  • 講義動画で記号・複線図の基本を視聴
  • テキストで該当章を読み込む
  • 寝る前15分の習慣として動画1本ずつ

3〜10週目: 筆記試験対策

  • 講義動画→過去問演習のセットで進める
  • 平日は1日1セット、土日は3〜4セット
  • 週末に学習相談メールで疑問点を消化

11〜14週目: 筆記試験前の総仕上げ

  • 過去問4年分を3周目
  • 弱点分野の動画を繰り返し視聴
  • 試験1週間前は新しい問題に手を出さない

15〜20週目: 技能試験対策

  • 工具・材料を別途揃える(HOZAN「DK-28」など)
  • 候補問題13問の動画を1問ずつ確認
  • 実技練習を各問題2〜3回
  • 試験1週間前は苦手3問を毎日

このスケジュールが現実的に回るかどうかは、平日の確保時間で決まります。平日1時間が安定して取れる人なら、SATを使って3〜4ヶ月で合格圏に入れます。


他社講座と比較したときの位置づけ

電気工事士の通信講座は他にも複数あります。SATの位置づけを簡単に整理しておきます。

  • SAT: スマホeラーニング中心、簡潔テキスト、教材返金保証、メールサポート。価格中位
  • ユーキャン: 知名度高、紙教材中心、添削指導あり、価格中位
  • JTEX(日本技能教育開発センター): 法人受講多め、紙教材中心、価格やや低め
  • TAC: 通学+通信の併用、講師サポート手厚い、価格高め

SATは「スマホで隙間時間に学びたい」「動画中心がいい」社会人向け。紙教材で書き込みながら学びたいなら、ユーキャンやJTEXの方が合うことがあります。対面の手厚さを求めるならTAC。

通信講座の選び方を目的別にもう少し細かく整理した記事を別に用意しています。比較で迷っている段階なら、こちらを先に読むほうが早いです。

第二種電気工事士の通信講座比較|独学との使い分けと失敗しない選び方


申込前に確認しておくべきこと

SATで申込を進める前に、最低限これだけは確認しておきましょう。

  1. 1. 価格と教材内容の最新情報をLP(公式販売ページ)で確認: 講座構成・キャンペーン価格は時期で変わる
  2. 2. 教材返金保証の条件を読む: 何日以内なら、どんな状態なら返金可能か
  3. 3. 工具・材料は別売りであることを理解する: 工具セット1〜1.5万円+材料セット1.5〜2万円が別途必要
  4. 4. 次の試験日程との距離: 残り時間で間に合うかを逆算
  5. 5. 自分の生活時間で「平日1時間」が安定確保できるか: 確保できないなら、開始タイミングを後ろにずらすか、別の進め方を検討

特に5番は重要です。通信講座を買っても、勉強時間が確保できなければ積ん読になります。SATは隙間時間学習に強い設計ですが、それでも最低限の継続時間は必要です。


まとめ:SATが合う人の最終判断

SAT第二種電気工事士講座は、

  • スマホ・PCで隙間時間に学びたい社会人
  • 簡潔テキストで完走重視のタイプ
  • メールサポートでマイペース質問したい人
  • 教材返金保証で買うハードルを下げたい人

に合っています。逆に、

  • 対面授業・リアルタイム質問が必須の人
  • 深く理解したいタイプ
  • 独学で進められる時間と耐性がある人
  • 工具・材料も全セットで欲しい人

には合いません。

合うかどうかが見えたら、次は申込タイミングと試験日程の逆算です。下期試験(10月筆記→12月技能)に間に合わせるなら、夏前には動き出す必要があります。検討だけで月日が過ぎることが、社会人受験者にとっての一番大きなロスです。

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