
はじめに
第二種電気工事士という資格の名前は聞いたことがあるが、実際にどんな試験なのか、どれくらい難しいのか、よくわからないという方は多いと思います。
結論から言えば、第二種電気工事士は独学で合格できる国家資格です。電気の専門知識がゼロからでも、計画的に学習すれば合格者は毎年多数出ています。設備管理・ビルメンテナンス業界への転職を考えている方にとって、この資格は入口として最も費用対効果が高い選択肢のひとつです。
この記事では、第二種電気工事士の試験内容・難易度・合格率・取得方法を、実際に電気系資格を複数取得した経験をもとに整理します。
第二種電気工事士とはどんな資格か
できる仕事の範囲
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗・事務所(600V以下の低圧電気)の電気工事を行う資格です。コンセントの設置、照明器具の取り付け、配線工事など、身近な電気設備に関わる作業が対象になります。
設備管理・ビルメン業界での実務では、現場の軽微な電気対応や日常点検の際に役立ちます。資格保有者として雇用されることで、求人の幅が広がり、入社後の業務範囲も広くなります。
第一種との違い
第一種電気工事士になると、最大電力500kW未満の工場やビルなど、より大規模な電気設備の工事ができるようになります。ただし第一種は、試験合格後に実務経験(3年以上)がなければ免状が交付されません。
設備管理への転職を最初に目指すなら、まず第二種を取得して業界に入り、実務経験を積んでから第一種を目指すという順序が現実的です。実際にこの流れで資格を積み上げた経験から見ても、いきなり第一種を目指すより確実で効率的です。
試験の概要
試験の構成
第二種電気工事士の試験は筆記試験と技能試験(実技)の2段階で構成されています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 筆記試験 | 四肢択一のマークシート・50問・60分 |
| 技能試験 | 候補問題13問から1問が出題・40分 |
筆記試験に合格した人だけが技能試験に進めます。筆記試験の合格は次年度まで有効なため、筆記に合格した年の技能で不合格でも、翌年度は技能試験から再挑戦できます。
試験日程
試験は年2回実施されます(上期・下期)。上期は例年5〜6月に筆記、7〜8月に技能。下期は10〜11月に筆記、12月に技能が行われます。
試験申込から試験日まで約2〜3ヶ月のリードタイムがあります。受験を決めたら早めに申し込み手続きを済ませておくことが重要です。
難易度と合格率
合格率の実態
毎年の合格率(筆記・技能それぞれ)はおおむね以下の水準で推移しています。
| 試験 | 合格率の目安 |
|---|---|
| 筆記試験 | 55〜65% |
| 技能試験 | 65〜75% |
合格率だけ見ると「思ったより高い」と感じる方もいると思います。ただし、これは「勉強した人の合格率」ではなく、受験申込者全体の数字です。試験に申し込んで実際に受験せずに終わる人や、ほぼ無対策で受ける人も含まれています。
きちんと対策をした受験者に限れば、合格率はさらに高くなる感覚があります。
独学で合格できるか
独学で合格できます。ただし「なんとなく参考書を読んだだけ」では難しく、過去問を繰り返す学習スタイルが合否を分けます。
筆記試験の問題は過去問との類似問題が多く、過去5〜10年分を繰り返し解いておけば出題パターンを把握できます。技能試験は候補問題が事前に公表されるため、練習量が合否に直結します。
学習時間の目安
計画的に学習を進めるために、ステップ別の目安時間を把握しておくことが重要です。
| ステップ | 学習内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 筆記試験対策 | 電気基礎・法令・配線図 | 60〜100時間 |
| 技能試験対策 | 候補問題13問の反復練習 | 30〜50時間 |
| 合計 | 90〜150時間 |
電気の基礎知識がある方はさらに短縮できますが、初学者は上記を目安に学習計画を立ててください。
この資格が向いている人
電気設備に興味があり、実技作業も苦にならない方に向く資格です。ビルメン・設備管理への転職を目指す方はもちろん、電気工事士として独立やスキルアップを考えている方にとっても、第二種電気工事士は入口として最も費用対効果が高い選択肢のひとつです。机上の学習だけでなく、工具を使った実技練習にも積極的に取り組める方であれば、確実に取得できる資格です。
取得までの流れ
STEP 1:受験申込
(一財)電気技術者試験センターのウェブサイトから申込手続きを行います。受験費用は9,300円(2024年度時点)です。
STEP 2:筆記試験の学習
学習期間の目安は100〜150時間程度です。電気の基礎知識がある場合はもう少し短縮できます。
学習の中心は過去問の反復です。参考書で概要をつかんだ後、過去問を繰り返し解くことで出題パターンが身につきます。筆記試験では計算問題と暗記問題が混在しており、計算問題は「公式の意味を理解してから使う」ことで対応しやすくなります。
STEP 3:技能試験の練習
技能試験は毎年度、事前に13問の候補問題が公表されます。本番ではそのうち1問が出題されるため、13問すべてを繰り返し練習することが対策の基本です。
練習には実際の工具と材料が必要です。電工ナイフ・ペンチ・圧着工具などの工具セットと、練習材料(ケーブル・器具)を用意してください。最初はゆっくりでも確実に施工できるよう手順を覚え、繰り返すことで施工時間を短縮させていく流れが効率的です。
STEP 4:免状申請
試験合格後、都道府県に免状交付の申請を行います。申請費用と書類提出が必要で、数週間後に免状が届きます。
資格を取ることで変わること
転職市場での評価
第二種電気工事士を持っていると、設備管理・ビルメン業界での求人選択肢が明確に広がります。「未経験歓迎」の求人でも、資格保有者と無資格者では採用確率と入社後の待遇に差が出るのが現実です。
資格は「業界に入るための証明」というより、「自分が学習を継続できる人間であることの証明」としても機能します。この点は、未経験転職において採用担当者から見たときに、意外と大きく評価される要素です。
次の資格へのステップ
第二種電気工事士の取得後、多くの人が次のステップとして第一種電気工事士や電験三種(第三種電気主任技術者)を目指します。
設備管理業界での年収を上げるには、より上位の資格へ積み上げることが現実的な手段です。第二種の学習で電気の基礎を固めておくことが、上位資格への足がかりになります。
学習サポートについて
独学でも十分に対応できる試験ですが、勉強を継続できるかどうかが最大の壁です。
仕事を続けながら学習時間を確保するには、学習環境の整備も重要です。通信講座を活用することで、効率的な学習順序の組み立てや、苦手分野のフォローができます。
電験三種・施工管理技士など複数の国家資格に対応した学習スクールは、合格実績と学習ノウハウを持っています。独学で行き詰まりを感じている方は、一度サービス内容を確認してみる価値があります。
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まとめ
第二種電気工事士は、独学合格が可能な国家資格です。試験は年2回、筆記と技能の2段階で構成されており、合格率は筆記55〜65%、技能65〜75%程度です。
設備管理・ビルメン業界への転職を考えているなら、まずこの資格から取得することで業界への入口が開きます。学習期間の目安は100〜150時間。過去問を中心に計画的に進めれば、仕事と両立しながら取得できます。
関連する資格・試験対策についてはこちらの記事も参考にしてください。
→ [第二種電気工事士 筆記試験の対策法|合格に必要な勉強時間と効率的な進め方](/denkikouji2shu-hikkishiken/)
→ [電験三種とは|難易度・科目・合格率・社会人の勉強法を解説](/denken3shu-gaiyou/)
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